勉強しなければならないことは分かっていても、何から始めればよいのか分からず、机に向かっても手が止まってしまう中学生は珍しくありません。そんなときに必要なのは、いきなり長時間勉強することでも、難しい参考書を増やすことでもありません。
まず現在地を確認し、取り組む範囲を小さくすることが大切です。
この記事では、勉強の仕方が分からない中学生が最初にやることを5ステップで整理します。教科別の始め方や、うまく続かない場合の見直し方、保護者ができるサポートまで解説します。
勉強の仕方が分からない中学生は何から始めればよいか
- 最初から完璧な勉強法を探す必要はない
- まず学校で学んでいる内容を基準にする
- できない範囲を小さく特定する
最初から完璧な勉強法を探す必要はない
勉強の仕方が分からない場合は、最初から効率のよい勉強法を完成させようとしないことが大切です。
問題集の選び方、ノートの取り方、暗記方法、勉強時間、学習計画などを一度に考えると、決めることが増えすぎてしまいます。その結果、勉強を始める前の準備だけで疲れてしまうことがあります。
最初の目標は、自分に最適な勉強法を見つけることではありません。今日やる勉強を具体的に決めて、実際に手を動かすことです。
例えば、勉強するという大きな予定ではなく、数学の学校ワークを2ページ進める、英単語を10個確認するというように、終わりが分かる課題へ変えると行動しやすくなります。
まず学校で学んでいる内容を基準にする
何を勉強すればよいのか分からない中学生は、学校の授業を基準にすると学習範囲を決めやすくなります。
最初から新しい参考書を購入する必要はありません。まず手元にある次の教材を確認しましょう。
- 学校の教科書
- 学校から配布されたワーク
- 授業中に使っているプリント
- 小テスト
- 定期テストと答案
- 授業用ノート
授業で最近扱った範囲を復習するだけでも、何を勉強するかという迷いをかなり減らせます。
特に定期テストが近い場合は、学校から示された試験範囲と提出物を優先します。市販教材を何冊も広げるより、まず学校教材を自力で解ける状態にするほうが、取り組む内容を明確にできます。
できない範囲を小さく特定する
勉強が苦手という大きなくくりではなく、どこで止まっているのかを小さく分けて確認します。
例えば数学が苦手でも、計算そのものが苦手なのか、方程式の途中式が分からないのか、文章題から式を作れないのかでは必要な勉強が異なります。
英語の場合も、単語が読めない、文法が分からない、英文の意味を取れないなど原因を分けて考えます。
分からない場所が特定できれば、勉強する範囲も狭くできます。苦手教科を全部やり直そうとするより、現在つまずいている単元を一つ見つけることから始めましょう。
何から始めるか5ステップ
- ステップ1 勉強する目的を一つ決める
- ステップ2 現在できることとできないことを確認する
- ステップ3 最初に取り組む教科と単元を一つに絞る
- ステップ4 短い時間で問題を解いて答え合わせまで行う
- ステップ5 結果を記録して次にやることを決める
ステップ1 勉強する目的を一つ決める
最初に、何のために勉強するのかを一つ決めます。
高校受験のためという大きな目標だけでは、今日何をすればよいのかまでは決まりません。最初はもっと近い目的にします。
- 次の数学の授業を理解できるようにする
- 次の英単語テストの範囲を覚える
- 定期テストまでに学校ワークを終わらせる
- 前回のテストで間違えた問題を解けるようにする
目的を一つ決めると、必要な教材と取り組む範囲を選びやすくなります。
反対に、成績を上げる、頭を良くするなど範囲の広い目標だけでは、行動へ落とし込みにくくなります。今日何を終えれば前進したと判断できるのかまで具体化しましょう。
ステップ2 現在できることとできないことを確認する
次に、今の学力を簡単に確認します。
大がかりなテストをする必要はありません。学校ワークや以前解いた問題を数問やり直し、自力で解けるかを確認します。
このとき重要なのは、間違えたこと自体ではありません。どの段階で止まったのかを見ることです。
- 問題文の意味が分からない
- 公式や単語を覚えていない
- 解き方は分かるが計算を間違える
- 解説を読めば分かるが一人では解けない
- 一度できても数日後には忘れてしまう
原因が違えば、その後に必要な勉強も変わります。分からない問題を見つける作業は、勉強ができないことを確認する作業ではなく、次に勉強する場所を探す作業と考えるとよいでしょう。
ステップ3 最初に取り組む教科と単元を一つに絞る
現在地が分かったら、最初に取り組む教科と単元を一つに絞ります。
5教科を毎日均等に進めようとすると、勉強習慣がない段階では予定が複雑になりやすくなります。まず一つの教科で勉強の流れを作ってから、必要に応じて教科を増やす方法でも構いません。
優先順位を迷った場合は、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 提出期限や小テストが近いもの
- 現在の学校授業についていくために必要なもの
- 定期テストで特に失点している教科
- 以前の内容が分からないため現在の授業も理解できない教科
重要なのは、教材を広げすぎないことです。今日は数学の方程式だけというように範囲を限定したほうが、やるべきことが見えやすくなります。
ステップ4 短い時間で問題を解いて答え合わせまで行う
勉強を始める段階では、長時間続けることより、一連の学習を最後まで終えることを優先します。
例えば20分勉強するのであれば、20分間教科書を眺め続けるのではなく、問題を解き、答え合わせをして、間違えた原因を確認するところまで進めます。
基本的な流れは次のとおりです。
- 教科書や例題で内容を確認する
- 問題を自分で解く
- 答え合わせをする
- 間違えた問題の解説を確認する
- 何も見ずにもう一度解く
分かったつもりと、自分で解ける状態は同じではありません。読む時間だけで終わらせず、問題を解く時間を入れることが大切です。
最初から毎日2時間などと決める必要もありません。短時間でも、開始から答え合わせまでの流れを繰り返せる状態を作ることを優先しましょう。
ステップ5 結果を記録して次にやることを決める
勉強が終わったら、その日の結果と次にやることを短く残します。
細かな学習日記を作る必要はありません。
- 数学ワーク12ページから13ページまで
- 方程式の文章題で間違いが多かった
- 次回は文章題をもう一度解く
この程度でも十分です。
次に机へ向かったとき、何から始めるかを考え直す必要がなくなるため、勉強を再開しやすくなります。
勉強する内容を決めても継続そのものが難しい場合は、中学生の家庭学習が続かない原因と、計画・実行・振り返りを整える方法も参考にしてください。学習内容だけでなく、実行しやすい計画の作り方から見直せます。
教科別に最初に取り組みたい勉強
- 英語は単語と学校で習った英文から確認する
- 数学は解けなくなった最初の単元まで戻る
- 国語は漢字と文章問題を分けて考える
- 理科と社会は用語暗記だけで終わらせない
英語は単語と学校で習った英文から確認する
英語の勉強方法が分からない場合は、まず学校で扱った単語と英文を確認します。
単語の意味が分からない状態では、文法を理解していても英文を読み進めにくくなります。反対に、単語だけを大量に覚えても、文の中でどのように使うか分からなければ得点につながらない場合があります。
最初は学校の教科書やワークを使い、単語の意味を確認したあと、英文を読んで意味が取れるか確認します。そのうえで学校ワークの問題を解きましょう。
文法で分からないところが出た場合は、現在習っている単元だけでなく、その前提になる内容まで戻ります。例えば現在の文法だけを何度復習しても分からない場合、以前習った基本的な文の作り方でつまずいている可能性があります。
数学は解けなくなった最初の単元まで戻る
数学では、現在の単元だけを繰り返しても改善しない場合があります。
数学は以前習った計算や考え方を使って、新しい単元へ進むことがあるからです。
まず学校ワークの基本問題を解き、どこから自力で解けなくなるのかを確認します。現在の単元が難しければ、一つ前の単元へ戻り、それでも難しければさらに前へ戻ります。
戻ることは遠回りではありません。分からない状態のまま応用問題を増やすより、止まっている場所を特定したほうが学習内容を整理しやすくなります。
解説を読んだあとは、同じ問題を自分だけでもう一度解きます。答えを見れば分かる状態から、何も見ずに解ける状態へ変えることを目指しましょう。
国語は漢字と文章問題を分けて考える
国語が苦手な場合は、すべてを読解力の問題としてまとめないことが大切です。
漢字や語句を覚えていないのか、文章の内容を整理できないのか、設問が何を求めているのか分からないのかによって対策が変わります。
漢字や語句で失点している場合は、学校教材の範囲を決めて覚えます。文章問題では、問題を解いたあとに正解だけを見るのではなく、自分の答えと解説の考え方のどこが違ったのかを確認します。
学校の授業で扱った文章なら、授業ノートやプリントも使って、先生がどこを重要なポイントとして扱っていたのか確認すると復習しやすくなります。
理科と社会は用語暗記だけで終わらせない
理科と社会では用語を覚える学習が必要ですが、言葉だけを単独で覚えると問題形式が変わったときに答えにくくなることがあります。
理科では、用語と現象や実験の内容を組み合わせて確認します。社会では、人名や地名だけでなく、出来事の順番や原因、結果などもつなげて整理します。
最初は教科書や学校ワークで基本事項を確認し、その後に問題を解きます。答えられなかった項目だけを教科書へ戻って確認すると、読む範囲を絞りやすくなります。
勉強法が定着しないときの見直し方
- 勉強法を次々に変更しない
- 解説を読んでも分からない場合は前の内容まで戻る
- 集中できない場合は勉強する環境も確認する
- 一定期間取り組んだら方法を見直す
勉強法を次々に変更しない
少し試して結果が出なかっただけで、勉強法を次々に変えることは避けたいところです。
ノートの作り方、暗記方法、参考書などを頻繁に変更すると、新しい方法に慣れるための時間が必要になり、実際に問題を解く時間が減ってしまいます。
まずは学校教材を使った復習、問題演習、答え合わせ、解き直しという基本的な流れを続けます。
そのうえで、覚えられない、時間がかかりすぎる、同じ種類の問題を何度も間違えるなど具体的な問題が見つかったときに、その部分だけ方法を変更しましょう。
解説を読んでも分からない場合は前の内容まで戻る
問題の解説を何度読んでも理解できない場合は、努力不足と考える前に、前提となる知識が抜けていないか確認します。
特に英語や数学では、以前習った内容が現在の学習につながっていることがあります。
現在の問題を繰り返しても進まない場合は、一つ前の単元の基本問題を解いてみましょう。そこで止まる場合は、さらに前へ戻ります。
どこまで戻ればよいのか分からない場合には、学校の先生へ質問する方法もあります。質問するときは数学が全部分からないと伝えるより、この問題のこの式から分からないというように、止まった場所を具体的にすると相談しやすくなります。
集中できない場合は勉強する環境も確認する
勉強方法だけでなく、机に向かいやすい環境になっているかも確認しましょう。
勉強するたびに教材を探したり、机の上を片付けたりする必要があると、開始するまでの負担が増えます。
使用する教科書、ワーク、筆記用具をまとめておき、決まった場所ですぐ始められるようにしておくと準備を減らせます。
スマートフォンなどが気になって勉強が止まる場合は、勉強中だけ手の届かない場所へ移す方法もあります。禁止すること自体を目的にせず、必要な時間だけ集中しやすい環境を作ることを考えましょう。
一定期間取り組んだら方法を見直す
勉強を続けたら、予定どおり進められているかを確認します。
見るべきなのは勉強時間だけではありません。
- 以前間違えた問題を解けるようになったか
- 学校ワークを予定どおり進められたか
- 授業で分からない部分が減ったか
- 同じミスを繰り返していないか
- 次に何を勉強すればよいか分かるようになったか
うまく進まない場合は、本人の努力だけを増やすのではなく、課題の量や難易度、勉強する時間帯、教材などを一つずつ見直します。
保護者ができるサポート
- 何を勉強するか一緒に整理する
- 勉強時間だけで評価しない
- 親がすべて教えようとしない
何を勉強するか一緒に整理する
中学生本人が勉強の仕方を分からない場合、保護者は答えを教える役割より、何をするか整理する役割から始めると支援しやすくなります。
例えば、今日何を勉強するのか決まっていない場合には、学校の提出物や次のテスト範囲を一緒に確認します。
そのうえで、今日終わらせる範囲を本人と決めます。
5教科全部をやる予定を作るより、まず数学ワークを2ページ進めるなど、実行できる大きさにすることが重要です。
勉強時間だけで評価しない
家庭学習を見るときは、何時間机に向かったかだけで判断しないようにします。
長時間座っていても、何をすればよいのか分からなければ学習が進まないことがあります。一方、短い時間でも問題を解き、間違いを直し、次の課題まで決められていれば学習は前へ進んでいます。
確認する場合は、何時間勉強したかだけでなく、今日は何を終わらせたか、どこが難しかったかを見ると学習状況を把握しやすくなります。
進んでいない場合も、すぐに勉強時間を増やすのではなく、課題が難しすぎないか、何から始めるか迷っていないかを確認しましょう。
親がすべて教えようとしない
保護者がすべての教科を直接教える必要はありません。
中学校の学習内容になると、保護者が説明する方法と学校で習っている方法が異なる場合もあります。また、親子で勉強すると感情的になり、学習内容以外のことで負担が大きくなることもあります。
家庭では学習予定や進み具合を整理し、問題の内容については学校の先生や学習支援サービスなど、必要に応じて外部の力を使う方法があります。
重要なのは、家庭だけですべて解決することではなく、中学生本人が勉強を進められる環境を作ることです。
一人で進めるのが難しいときの選択肢
- 自力学習が難しい状態を見極める
- 必要な支援内容からサービスを選ぶ
- 受験学年では高校受験までの計画も確認する
自力学習が難しい状態を見極める
勉強方法を整理しても一人では進めにくい場合、外部のサポートを検討することも選択肢です。
例えば、次のような状態が続く場合は、勉強時間を増やすだけでは解決しにくいことがあります。
- どこまで戻って復習すればよいか分からない
- 解説を読んでも理解できない問題が多い
- 自分で学習計画を立てられない
- 計画を作っても実行できない状態が続く
- 学校の授業と現在の理解度に大きな差がある
- 受験までに何を優先すればよいか分からない
こうした場合は、本人の努力不足と決めつけず、必要な支援を整理することが重要です。
必要な支援内容からサービスを選ぶ
塾や家庭教師を利用する場合も、サービス名や知名度だけで決めず、何を手伝ってほしいのかを先に整理します。
例えば、授業内容の解説が必要なのか、以前の単元まで戻る必要があるのか、家庭学習の計画管理まで必要なのかによって適した指導形式は異なります。
学習支援を検討するときの比較項目については、中学生向け学習支援サービスを比較するときの7つの判断基準で整理しています。授業形式だけでなく、学習管理や質問対応なども含めて確認できます。
集団塾、個別指導、家庭教師、オンライン指導にはそれぞれ特徴があります。本人が困っている部分と、サービス側が支援できる範囲が合っているかを確認しましょう。
受験学年では高校受験までの計画も確認する
中学3年生で勉強の仕方が分からない場合は、目の前の学校学習だけでなく、高校受験までに必要な学習との両立も考える必要があります。
苦手単元の復習に時間が必要な場合でも、受験まで使える時間には限りがあります。そのため、すべてを最初から均等にやり直すのではなく、現在の学力と志望校を踏まえて優先順位を決めることが重要です。
塾や家庭教師も含めて受験対策を検討している場合は、高校受験に向けた塾・家庭教師の選び方も確認しておくと、学年や現在の学力から必要な支援を整理できます。
勉強の仕方が分からない状態から抜け出すために最初に必要なのは、特別な勉強法ではありません。現在地を確認し、今日取り組む一つの課題まで小さくすることです。自力でその流れを作れない場合には、必要な部分だけ周囲の支援を利用することも検討しましょう。
まとめ
本記事のポイント
- 勉強の仕方が分からない場合は、最初から完璧な勉強法を探す必要はない
- まず学校の教科書やワークを基準に、現在取り組む範囲を決める
- 苦手教科全体ではなく、具体的にどの単元で止まっているのかを確認する
- 最初のステップでは、今日の勉強につながる近い目的を一つ決める
- 現在地を確認したら、最初に取り組む教科と単元を一つに絞る
- 勉強は読むだけで終わらせず、問題演習、答え合わせ、解き直しまで行う
- 勉強後に結果と次にやることを残しておくと、次回の学習を始めやすくなる
- 英語や数学で理解できない場合は、必要に応じて以前の単元まで戻る
- 保護者は勉強時間だけを見るのではなく、何を学び、どこで困っているかを確認する
- 一人で学習計画や復習範囲を決められない場合は、学校や学習支援サービスを活用する方法もある
