中学生が毎日勉強しているのに成績が上がらないと、勉強時間が足りないのではないかと考えがちです。
しかし、時間を増やすだけでは改善しないこともあります。授業で理解できていない部分が残っている、問題を自力で解く時間が少ない、間違い直しが不十分、学習計画と実際の行動が合っていないなど、原因によって必要な対策は変わります。
この記事では、中学生の成績が上がらない原因を整理し、家庭学習の見直し方、教科別の改善ポイント、保護者ができる支援、塾や家庭教師を検討する目安まで解説します。
中学生の成績を上げるには勉強時間より原因の特定が先
- 成績が上がらない原因は一つとは限らない
- テスト答案と日々の学習から原因を見つける
- まず一教科一単元から改善する
成績が上がらない原因は一つとは限らない
中学生の成績を上げるために最初に必要なのは、勉強時間を増やすことではなく、現在どこで学習が止まっているのかを確認することです。
同じようにテストの点数が伸びていない中学生でも、原因は異なります。
- 授業の内容を十分に理解できていない
- 基本事項を覚えきれていない
- 問題演習の量が不足している
- 問題を解いても間違い直しをしていない
- 以前習った内容に理解できていない部分がある
- 勉強を始めるまでに時間がかかる
- テストまでの計画を立てられていない
原因が違えば、必要な改善策も変わります。基本事項を理解できていない状態で難しい問題を増やしても進みにくく、反対に基礎問題を解ける生徒が同じ問題だけを繰り返しても得点できる範囲は広がりにくくなります。
まず勉強不足という一つの言葉でまとめず、理解、暗記、演習、復習、計画のどこに問題があるのかを分けて考えましょう。
テスト答案と日々の学習から原因を見つける
成績が上がらない原因を探すときに役立つのが、過去の定期テストや小テスト、学校ワークです。
点数だけを見るのではなく、どのような問題で失点しているかを確認します。
- 知識を覚えておらず答えられなかった
- 解き方そのものが分からなかった
- 途中までは分かったが最後まで解けなかった
- 計算ミスや読み間違いをした
- 時間が足りず問題を残した
- 一度勉強した内容を忘れていた
例えば数学で計算ミスが多い場合と、問題を見ても式を作れない場合では対策が異なります。英語でも単語を知らない場合と、単語は分かるものの文法を使えない場合では必要な学習が違います。
間違えた問題を分析するときは、何点失ったかだけではなく、なぜ解けなかったのかまで確認することが重要です。
まず一教科一単元から改善する
成績を上げたいからといって、5教科すべての勉強方法を同時に変更する必要はありません。
特に家庭学習の方法がまだ定まっていない場合は、最も改善したい教科や単元を一つ決め、学習の流れを作るほうが取り組みやすくなります。
何を勉強すればよいか自体が分からない場合には、勉強の仕方が分からない中学生が何から始めるかを先に整理すると、最初に取り組む教材や単元を決めやすくなります。
例えば次の定期テストまで数学を重点的に改善すると決めたなら、学校ワークの基本問題を解き、間違えた単元を確認し、必要な部分まで戻って学習します。この一連の流れが作れたあとで、他教科にも広げていきます。
勉強しても成績が上がらない主な原因
- 授業理解の穴を残したまま問題演習をしている
- 勉強したつもりで自力で解く時間が少ない
- 間違い直しが答えを読むだけで終わっている
- 勉強計画が実行できる量になっていない
- 定期テスト範囲と学習内容がずれている
授業理解の穴を残したまま問題演習をしている
問題をたくさん解いているのに成績が伸びない場合、現在取り組んでいる内容より前の段階につまずきが残っていることがあります。
特に英語や数学では、それまでに学んだ内容を使いながら新しい内容へ進むため、現在の単元だけを繰り返しても解決しない場合があります。
基本問題を解けない場合は、同じ問題を何度も繰り返すだけでなく、その問題を解くために必要な知識まで戻って確認します。
戻る範囲は必要なところだけで構いません。中学一年生の内容をすべてやり直すのではなく、自力で解けなくなった地点を探して、その部分から学び直します。
勉強したつもりで自力で解く時間が少ない
教科書を読む、ノートをきれいにまとめる、解説動画を見るといった学習は理解を助けますが、それだけでテスト問題を解けるとは限りません。
テストでは、答えや解説を見ない状態で自分で考えて答える必要があります。そのため家庭学習にも、自力で問題を解く時間を入れる必要があります。
内容を確認したら問題を解き、答え合わせをします。間違えた場合は解説を確認し、その後に何も見ずもう一度解きます。
理解する学習と、実際に答えを出す学習を分けず、一連の流れとして行うことが大切です。
間違い直しが答えを読むだけで終わっている
問題を解いたあとに答え合わせをして終了してしまうと、間違えた原因が残ったままになることがあります。
間違えた問題では、正解を確認するだけではなく、どこで自分の考え方が変わったのかを確認します。
- 覚えていなかった
- 意味を理解していなかった
- 解き方を思い出せなかった
- 途中の計算を間違えた
- 問題文の条件を読み落とした
- 時間をかけすぎた
原因を確認したら、その原因に合った対策をします。知識不足なら覚え直し、解き方が分からなければ例題へ戻り、計算ミスなら途中式や見直し方法を改善します。
最後に同じ問題や類似問題をもう一度解き、自力で正解できるかまで確認します。
勉強計画が実行できる量になっていない
計画を作っているのに成績が上がらない場合は、計画そのものが実行できる内容になっているか確認しましょう。
毎日5教科を勉強する、平日は必ず3時間勉強するという計画を作っても、部活動や学校行事、宿題などを含めた生活の中で実行できなければ機能しません。
勉強する時間だけでなく、何をどこまで終えるかを決めます。
例えば数学を1時間勉強するという予定より、数学ワークの指定範囲を解いて間違い直しまで終えるという予定のほうが、終了条件を判断しやすくなります。
計画を作っても家庭学習そのものが続かない場合は、中学生の家庭学習が続かない原因と計画の整え方を確認し、計画、実行、振り返りの流れから見直してみてください。
定期テスト範囲と学習内容がずれている
勉強時間を確保していても、学校の定期テストで求められる内容と家庭学習の範囲がずれていれば、点数へ反映されにくくなります。
定期テスト前は、まず学校から示された試験範囲を確認します。
- 教科書の範囲
- 学校ワークの範囲
- 授業プリント
- 授業ノート
- 提出課題
- 小テストで扱われた内容
市販教材を使う場合も、学校教材の学習が不十分なまま新しい教材へ広げないことが大切です。
特にテスト直前では教材を増やすより、すでに取り組んだ問題の中から解けない問題を減らすことを優先すると、学習範囲を整理しやすくなります。
成績を上げるための家庭学習の改善策
- 学校教材を中心に学習範囲を絞る
- 解く答え合わせ解き直しを一セットにする
- 間違いを原因別に分類する
- 短い周期で進み具合を確認する
学校教材を中心に学習範囲を絞る
定期テストの成績を改善したい場合は、最初に学校で使用している教材を十分に活用します。
参考書や問題集を増やすこと自体が成績を上げるわけではありません。教材が増えるほど、それぞれを途中まで進めただけで終わってしまうこともあります。
まず学校ワークや授業プリントの基本問題について、自力で解ける範囲と解けない範囲を分けます。
解けない問題が見つかったら教科書や例題へ戻り、理解したあとでもう一度問題を解きます。学校教材で不足する部分が明確になってから、必要に応じて他の教材を追加します。
解く答え合わせ解き直しを一セットにする
家庭学習では、問題を何ページ進めたかだけでなく、解けなかった問題を解ける状態に変えたかを確認します。
基本的な一回の学習は次の流れで組み立てられます。
- 学習する範囲を決める
- 問題を自力で解く
- 答え合わせをする
- 間違えた原因を確認する
- 必要な内容を復習する
- 何も見ずにもう一度解く
一回ですべて覚える必要はありません。時間を空けたあとでも解けるかを確認し、忘れていれば再度復習します。
勉強した量だけでなく、以前できなかったことができるようになったかを見ることが重要です。
間違いを原因別に分類する
間違えた問題をすべて同じ方法で復習するのではなく、原因によって対策を変えます。
例えば、次のように分類できます。
- 知識不足なら暗記し直す
- 理解不足なら教科書や例題へ戻る
- 解法不足なら基本問題から練習する
- 計算ミスなら途中式や確認手順を見直す
- 読み間違いなら問題文の条件確認を徹底する
- 時間不足なら問題ごとの時間配分を確認する
原因を分類することで、ただ同じページを繰り返すよりも、次に何を改善すればよいか分かりやすくなります。
同じ種類の間違いが続く場合は、その問題だけではなく、学習方法そのものを見直す必要があります。
短い周期で進み具合を確認する
成績を上げる計画は、一度作ったらテスト当日まで変更しないものではありません。
学習を進めながら、予定どおり進んでいるか、理解できる問題が増えているかを確認します。
確認したいのは勉強時間だけではありません。
- 予定した課題を終えられたか
- 以前間違えた問題を解けるようになったか
- 同じ種類のミスが減ったか
- 学校の授業を理解しやすくなったか
- 次に復習する場所が分かっているか
予定どおり進んでいなければ、本人の努力を増やすだけではなく、課題量、難易度、教材、勉強する時間帯などを調整します。
教科別に成績を上げるためのポイント
- 英語は単語文法本文問題をつなげて勉強する
- 数学はつまずいた単元まで戻る
- 国語は知識問題と読解問題を分けて対策する
- 理科と社会は理解暗記演習を往復する
英語は単語文法本文問題をつなげて勉強する
英語では、単語、文法、英文読解を完全に別々の勉強として扱わないことが大切です。
単語を覚えていても文法を理解していなければ英文を正確に読みにくく、文法を理解していても必要な単語を知らなければ意味を取れません。
まず学校で学習した単語と文法を確認し、教科書の英文で意味を理解できるか確認します。その後、学校ワークなどの問題を自力で解きます。
現在の文法が理解できない場合は、その文法の説明を繰り返すだけでなく、以前学んだ基本的な文の作り方に抜けがないかも確認しましょう。
数学はつまずいた単元まで戻る
数学では、現在の単元で問題を解けない原因が以前の学習内容にあることがあります。
基本問題を解き、自力で進めなくなった地点を確認します。現在の単元が難しければ一つ前の内容へ戻り、それでも解けなければさらに前の基本問題を確認します。
ただし、必要以上に広い範囲を最初からやり直す必要はありません。現在の問題を解くために不足している知識を特定し、その部分を補うことを優先します。
解説を理解しただけで終わらず、最後は何も見ない状態でも問題を解けるか確認します。
国語は知識問題と読解問題を分けて対策する
国語の点数が低い場合に、すべてを読解力不足として扱わないようにします。
漢字や語句などの知識問題で失点しているのか、文章の内容を整理できていないのか、設問が求めている内容を判断できないのかを分けて確認します。
知識問題であれば、範囲を決めて覚え、実際に書いたり答えたりできるか確認します。
読解問題では、正解だけを確認するのではなく、自分がどのように考えて答えを選んだのかを振り返ります。自分の考え方と解説で示される考え方の違いを確認すると、間違いの原因を見つけやすくなります。
理科と社会は理解暗記演習を往復する
理科と社会では暗記する内容が多くありますが、用語を覚えるだけで学習を終えないことが大切です。
理科では、用語と現象、計算、実験などを関連付けて確認します。社会では、人名や地名だけでなく、出来事の流れや原因、結果、地域の特徴などもつなげて整理します。
基本事項を確認したら実際に問題を解き、答えられなかった部分だけ教科書へ戻ります。
覚える、問題を解く、分からない部分を確認するという流れを繰り返すことで、覚えているだけの状態から問題で使える状態へ近づけていきます。
保護者ができる成績アップのサポート
- 点数だけではなく学習プロセスを見る
- 勉強時間を一方的に増やさない
- 必要に応じて学校や外部支援につなぐ
点数だけではなく学習プロセスを見る
保護者が学習状況を確認するときは、テストの点数だけで判断しないことが大切です。
点数には学習状況が表れますが、一回のテストだけでは改善途中の変化を確認しにくい場合があります。
例えば以前より学校ワークを自力で解ける問題が増えた、間違い直しを自分でできるようになった、学習する内容を自分で決められるようになったなども重要な変化です。
結果だけではなく、学習の進め方に改善が起きているかを確認しましょう。
勉強時間を一方的に増やさない
成績が上がらないと勉強時間を増やしたくなりますが、先に現在の勉強時間がどのように使われているかを確認します。
長時間机に向かっていても、何をすればよいか迷っている時間が長かったり、ノートをまとめるだけで問題をほとんど解いていなかったりすれば、時間を増やすだけでは改善しにくくなります。
まず現在行っている学習を確認し、必要な課題に取り組めているかを見ることが先です。
本人と相談しながら、一日に実行できる課題量へ調整することも重要です。
必要に応じて学校や外部支援につなぐ
家庭だけで学習上の問題をすべて解決する必要はありません。
どこで理解できなくなったのか分からない場合は学校の先生へ相談する方法があります。また、家庭学習の計画や苦手単元の学び直しまで継続的に支援してほしい場合には、塾、個別指導、家庭教師、オンライン指導なども選択肢になります。
指導形式による違いを整理したい場合は、中学生に合う塾と家庭教師の違いも参考にしてください。
重要なのは外部サービスを利用すること自体ではなく、本人が困っている部分と受けられる支援が合っていることです。
塾や家庭教師を検討したいケース
- 自力でつまずき地点を特定できない
- 学習計画を立てても継続できない
- 受験までの優先順位を決めにくい
自力でつまずき地点を特定できない
自宅で勉強しても分からない問題が多く、どこまで戻ればよいのか本人だけでは判断できない場合は、外部から学習状況を確認してもらう方法があります。
特に複数の単元につまずきが広がっている場合は、現在の授業だけを教えてもらうのではなく、理解できている範囲と理解できていない範囲を整理する支援が必要になることがあります。
学習支援サービスを探す場合は、授業の分かりやすさだけではなく、学習計画、質問対応、家庭学習の管理など、本人に必要な支援が含まれているか確認します。
比較するときの具体的な判断項目は、中学生向け学習支援サービスを選ぶ7つの比較項目で整理しています。
学習計画を立てても継続できない
何を勉強すればよいか理解していても、家庭では予定どおり実行できない中学生もいます。
この場合は新しい授業を増やすことより、日々の学習を管理する仕組みが必要かもしれません。
外部サービスを検討するときは、授業がない日についても学習内容を決めてもらえるか、課題の実施状況を確認する仕組みがあるか、予定どおり進まなかった場合に計画を修正できるかを確認します。
一方、自分で計画を立てて実行できる中学生であれば、細かな学習管理を必要としない場合もあります。本人に必要な支援だけを選ぶことが大切です。
受験までの優先順位を決めにくい
中学3年生では、定期テスト対策だけでなく高校受験までの学習も考える必要があります。
苦手範囲が広い場合に、すべての単元を同じ量だけやり直そうとすると、受験までに必要な学習との両立が難しくなることがあります。
現在の学力、志望校、残された期間を踏まえて、優先する教科や単元を決める必要があります。
高校受験を目的として学習支援を探している場合には、高校受験に向けた塾や家庭教師の選び方も確認し、現在の学力と必要な支援から候補を絞りましょう。
成績が上がり始めたかを判断する方法
- 点数だけでなく正答率や再現性を見る
- 一回の結果ではなく複数回の変化を見る
- 改善しない場合は原因と対策をもう一度見直す
点数だけでなく正答率や再現性を見る
学習方法を改善したあと、成績が上がり始めているかはテストの点数だけで判断しないようにします。
家庭学習の段階では、以前間違えた問題を解けるようになったか、時間を空けても同じ種類の問題を解けるかを確認します。
一度答えを見た直後に解けただけでは、まだ定着しているとは限りません。翌日や数日後にも自力で解けるか確認すると、理解や定着の状況を判断しやすくなります。
学校ワークや小テストなど身近な教材でも、以前できなかった問題ができるようになっているかを確認できます。
一回の結果ではなく複数回の変化を見る
勉強方法を変えた直後の一回のテストだけで、成功や失敗を決めないことも大切です。
テストごとに範囲や難易度は異なるため、点数だけでは単純に比較できない場合があります。
- 基本問題の正答が増えた
- 空欄が減った
- 同じ種類のミスが減った
- 学校ワークを自力で進められるようになった
- テスト前だけでなく普段から勉強できるようになった
- 復習すべき場所を自分で判断できるようになった
そこで、次のような変化も合わせて確認します。
こうした変化が積み重なっているなら、学習方法が本人に合い始めている可能性があります。
改善しない場合は原因と対策をもう一度見直す
一定期間取り組んでも変化が見られない場合は、単純に勉強時間を増やす前に原因を再確認します。
例えば、問題演習を続けても基本事項を理解できていないのであれば、演習量ではなく学習する単元を戻す必要があります。計画を毎回守れないのであれば、本人の意思だけではなく、一日の課題量や生活時間との組み合わせを見直します。
必要であれば学校の先生や学習支援サービスにも相談し、本人だけでは見つけにくいつまずきを確認してもらう方法もあります。
成績を上げるために重要なのは、同じ方法をただ続けることではありません。現在の状態を確認し、原因に合わせて学習方法を修正しながら、自力で解ける問題を少しずつ増やしていくことです。
まとめ
本記事のポイント
- 中学生の成績を上げるには、最初に成績が上がらない原因を特定する
- 勉強時間を増やすだけではなく、理解、暗記、演習、復習、計画のどこに問題があるか確認する
- テスト答案や学校ワークから、なぜ間違えたのかを分析する
- 学校教材を中心に、自力で解けない問題を減らしていく
- 問題を解く、答え合わせ、原因確認、解き直しまでを一つの学習として行う
- 英語や数学で理解できない場合は、必要に応じて以前の単元まで戻る
- 家庭学習の計画は、勉強時間だけでなく具体的に終える課題まで決める
- 保護者は点数や勉強時間だけでなく、学習の進め方が改善しているかを見る
- 自力でつまずきを特定できない場合や学習管理が難しい場合は、学校や外部支援も選択肢になる
- 一回のテスト結果だけで判断せず、自力で解ける問題や同じミスが減っているかを継続して確認する
