中学生の成績を立て直したいとき、まず基礎固めをしようと考えても、どの教科のどこまで戻ればよいのか迷いやすいものです。中学1年生から全部やり直そうとすると量が多く、途中で続かなくなることもあります。
大切なのは、現在できていない部分を確認し、その原因になっている内容まで必要な分だけ戻ることです。
この記事では、中学生が基礎固めを始めるときの考え方、復習する順番、英語・数学・国語・理科・社会の具体的な進め方、家庭学習へ落とし込む方法まで整理します。
中学生の基礎固めは現在地の確認から始める
- 基礎固めは基本問題を自力で解ける状態を目指す
- テストと学校ワークからつまずきを探す
- 全範囲を最初からやり直さず必要な部分へ絞る
基礎固めは基本問題を自力で解ける状態を目指す
中学生の基礎固めで最初に目指したいのは、学校で学習した基本事項を使い、自分の力で基本問題に答えられる状態です。
教科書を読めば分かる、答えを見れば理解できるという段階だけでは、まだ基礎が定着しているとは言い切れません。テストでは教科書や解説を見ずに答える必要があるため、何も見ない状態で使えるかまで確認する必要があります。
例えば数学なら、公式を知っているだけではなく、基本問題を見てどの計算を使えばよいか判断できることが重要です。英語なら、単語の意味だけでなく、学習した文法を使って英文を読んだり書いたりできる状態を目指します。
基礎固めでは、難しい問題へ進むことよりも、基本的な内容の中に残っている分からない部分を減らすことを優先しましょう。
テストと学校ワークからつまずきを探す
どこから基礎固めを始めればよいか分からない場合は、新しい問題集を買う前に、これまでの定期テスト、小テスト、学校ワークを確認します。
見るべきなのは点数だけではありません。間違えた問題について、なぜ解けなかったのかを確認します。
- 用語や単語を覚えていなかった
- 解き方そのものが分からなかった
- 以前習った内容を忘れていた
- 問題文の意味を正しく読み取れなかった
- 計算途中で間違えた
- 時間が足りなかった
例えば数学の方程式で間違えていたとしても、方程式だけが原因とは限りません。正負の数や文字式の計算で止まっている場合は、そこまで戻ったほうが改善しやすくなります。
まずは正解できない場所を見つけ、その問題を解くために必要な内容を確認することが基礎固めの出発点です。
全範囲を最初からやり直さず必要な部分へ絞る
基礎に不安があるからといって、中学1年生の最初から5教科をすべてやり直す必要はありません。
特に部活動や学校生活と両立しながら家庭学習を進める場合、復習範囲を広げすぎると現在の授業まで遅れてしまうことがあります。
基本問題を解き、自力で進めなくなったところまで戻る方法なら、必要な範囲を絞りやすくなります。一つの単元を確認したら再び現在の問題へ戻り、解けるようになったかを確認します。
そもそも教材の選び方や最初の一歩から迷っている場合は、勉強の仕方が分からない中学生が何から始めるかも合わせて確認すると、家庭学習の入口を整理しやすくなります。
基礎固めで復習する順番の決め方
- 現在の授業範囲から戻る場所を探す
- 英語と数学は前の単元までさかのぼる
- 国語と理科と社会は失点の種類から優先順位を決める
- 一単元ずつ理解から解き直しまで終える
現在の授業範囲から戻る場所を探す
復習の基本的な順番は、現在の授業内容を確認し、解けない原因になっているところまで一つずつ戻る流れです。
最初から過去へ向かって順番に復習するのではなく、現在地から逆算します。
例えば現在学習している数学の単元が理解できない場合は、まずその単元の基本問題を解きます。途中で使っている計算方法が分からなければ、その計算を学習した単元へ戻ります。
そこで解けるようになったら、再び現在の単元へ戻ります。この往復を行うことで、復習範囲を必要以上に広げずに済みます。
英語と数学は前の単元までさかのぼる
英語と数学は、以前習った内容を使いながら新しい内容へ進む場面が多いため、現在の単元だけを繰り返しても解決しないことがあります。
英語なら、英文が読めない原因が現在習っている文法ではなく、主語と動詞の関係や基本的な語順にある場合があります。数学でも、関数が分からない原因が計算や方程式に残っていることがあります。
そのため英語と数学では、現在の問題から一段階ずつ前へ戻り、自力で解ける地点を探します。
ただし、必要以上に前の学年まで戻る必要はありません。一つ前の内容が解けるなら、そこより前まで一律に復習するより、現在必要な範囲へ時間を使うほうが進めやすくなります。
国語と理科と社会は失点の種類から優先順位を決める
国語、理科、社会では、必ずしも古い単元から順番に復習する必要はありません。
国語であれば、漢字や語句で失点しているのか、文章読解で失点しているのかによって対策が変わります。理科や社会も、単元ごとに学習内容が分かれている部分があるため、苦手な分野を優先して復習できます。
過去のテストを確認し、正答できていない範囲が多い単元、これからの授業や定期テストで必要になる単元から取り組みましょう。
勉強しているのに点数へつながらない場合は、基礎不足以外にも原因があります。中学生の成績が上がらない原因と改善策も確認すると、理解、暗記、演習、復習のどこを見直すべきか整理できます。
一単元ずつ理解から解き直しまで終える
復習では、広い範囲を一度ずつ触るより、一つの単元を自力で解けるところまで仕上げてから次へ進むほうが進捗を確認しやすくなります。
基本的には次の順番で進めます。
- 教科書や授業ノートで基本事項を確認する
- 例題の解き方を確認する
- 基本問題を何も見ずに解く
- 答え合わせをする
- 間違えた原因を確認する
- 必要な内容だけ復習する
- 同じ問題や類似問題をもう一度解く
最後の解き直しまで行い、自分だけで答えられるようになったら次の単元へ進みます。
5教科それぞれの基礎固めのやり方
- 英語は単語と基本文法から英文へつなげる
- 数学は計算と基本例題を自力で解けるようにする
- 国語は漢字や語句と読解を分けて進める
- 理科は用語だけでなく仕組みまで確認する
- 社会は重要語句と出来事のつながりを覚える
英語は単語と基本文法から英文へつなげる
英語の基礎固めは、単語、文法、英文を別々に終わらせるのではなく、つなげながら進めます。
まず学校で習った基本単語について、日本語から英語、英語から日本語の両方向で確認します。そのうえで、現在学習している文法の基本的な文の形を確認します。
文法を確認したら、教科書本文や学校ワークの英文を読み、自分で意味を取れるか確かめます。書く問題がある場合は、答えを見ずに英文を作れるかまで確認しましょう。
現在の文法が分からないときは、語順、be動詞、一般動詞、疑問文、否定文など、必要なところまで戻ります。
単語だけ、文法問題だけで終わらせず、最終的に英文の中で使えることを目標にするのがポイントです。
数学は計算と基本例題を自力で解けるようにする
数学の基礎固めでは、解説を理解することより、自力で途中式を書いて答えまで出せるかを重視します。
まず現在の単元の基本問題を解きます。そこで止まった場合は、必要な計算や公式がどこで学習した内容なのか確認します。
数学では、次のように前の内容が次の単元へ影響することがあります。
- 正負の数から文字式
- 文字式から方程式
- 方程式から関数
- 計算力から図形や文章題
間違えた問題は、答えを写して終わらせず、何も見ずにもう一度最初から解きます。途中式を書き、同じ種類の問題でも解ければ、その内容は基礎として使える状態に近づいています。
国語は漢字や語句と読解を分けて進める
国語の基礎固めでは、点数が低い原因をすべて読解力としてまとめないことが重要です。
漢字、語句、文法など、覚えることで改善しやすい部分と、文章を読んで考える部分を分けます。
漢字や語句は範囲を決めて覚え、見れば分かる状態ではなく、自分で書いたり説明したりできるかを確認します。
読解問題では、正解だけを覚えるのではなく、本文のどこを根拠に答える問題なのかを確認します。選択問題でも、正解の理由だけでなく、他の選択肢が本文と合わない理由まで確認すると考え方を整理しやすくなります。
理科は用語だけでなく仕組みまで確認する
理科では重要語句の暗記だけでなく、その言葉が何を表しているのかまで理解することが基礎固めにつながります。
例えば実験を扱う単元なら、結果だけでなく、何を調べるための実験なのか、条件を変えるとどうなるのかを確認します。計算問題がある単元では、公式だけでなく、どの数値を使うのかを判断できることも必要です。
基本事項を確認したら学校ワークを解き、答えられなかった部分だけ教科書へ戻ります。
理科は単元によって必要な勉強方法が異なるため、暗記だけで進めず、用語、現象、実験、計算を必要に応じて組み合わせましょう。
社会は重要語句と出来事のつながりを覚える
社会の基礎固めでは、重要語句を覚えるだけでなく、情報同士の関係を整理します。
歴史なら、出来事、人、時代、原因、結果をつなげます。地理なら、場所だけでなく、気候、産業、人口、地形などを関連付けます。公民では、制度名だけでなく、どのような役割を持つ仕組みなのかを確認します。
教科書を読むだけで終わらず、一問一答や学校ワークを使い、何も見ずに答えられるか確認しましょう。
覚えていない部分が見つかったら教科書へ戻り、再び問題を解きます。読む、覚える、解くを繰り返すことで、テストで使える知識へ変えていきます。
基礎固めを家庭学習に落とし込む方法
- 一日に進める量を小さく区切る
- 一週間単位で教科と復習日を配置する
- できなかった問題を次の復習対象にする
一日に進める量を小さく区切る
基礎固めは範囲が広く見えやすいため、一日に取り組む量を小さく区切ります。
数学を基礎からやり直すという予定だけでは、毎日何をすればよいか判断しにくくなります。
例えば、数学ワークの基本問題を2ページ解いて間違い直しまで行う、英単語を20語確認して学校ワークの文法問題を1ページ解くといった形で、終わりが分かる課題にします。
最初から5教科すべてを毎日勉強する必要はありません。苦手教科を優先しながら、実行できる量から始めます。
家庭学習そのものがなかなか続かない場合は、中学生の家庭学習が続かない原因と整え方も参考にし、勉強内容だけでなく開始時間や課題量も見直しましょう。
一週間単位で教科と復習日を配置する
毎日の気分で勉強する教科を決めるより、一週間程度の単位で大まかな予定を作っておくと基礎固めを続けやすくなります。
例えば英語と数学の立て直しを優先する期間なら、平日に英語と数学を多めに配置し、理科と社会を交互に入れる方法があります。国語は漢字や語句など短時間で取り組める内容を日々の学習へ入れる方法もあります。
週末には新しい範囲だけを進めるのではなく、その週に間違えた問題を解き直す時間を確保します。
平日、休日、テスト前で学習時間の組み方を変えたい場合は、中学生の勉強スケジュールの立て方も合わせて確認すると予定を組みやすくなります。
できなかった問題を次の復習対象にする
基礎固めでは、何ページ終わったかだけでなく、できなかった問題が減っているかを記録します。
学校ワークや問題集を解いたら、問題を簡単に分類します。
- 自力ですぐ解けた
- 時間をかければ解けた
- 解説を見れば理解できた
- 解説を見ても分からなかった
自力ですぐ解けた問題は、毎回繰り返す必要性が低くなります。一方、解説を見なければ解けなかった問題は、数日後にもう一度確認します。
この方法なら、できる問題に同じ時間を使い続けず、本当に必要な復習へ時間を回しやすくなります。
基礎固めが進まないときの見直し方
- 基本問題でも止まる場合はさらに前へ戻る
- 復習範囲が広すぎる場合は優先順位を絞る
- 家庭だけで難しい場合は外部の支援も検討する
基本問題でも止まる場合はさらに前へ戻る
教科書の基本問題でもほとんど手が止まる場合は、現在取り組んでいる単元より前に理解できていない内容が残っている可能性があります。
この場合、同じ問題だけを何度も繰り返すより、一段階前の単元へ戻ります。
特に英語と数学では、どこまで戻れば自力で解けるのかを探すことが重要です。自力で解ける地点が見つかったら、そこから少しずつ現在の学習範囲へ戻ります。
戻ること自体を遅れと考える必要はありません。現在の学習を理解するために必要な部分を補うことが目的です。
復習範囲が広すぎる場合は優先順位を絞る
苦手範囲が多い場合、5教科すべてを同じペースで基礎からやり直そうとすると、一つひとつの単元へ十分な時間を使えなくなることがあります。
その場合は優先順位を決めます。
- 現在の授業についていくために必要な内容
- 次の定期テスト範囲に関係する内容
- 苦手が大きく後の単元へ影響する内容
- 短期間で改善しやすい基本問題
- 高校受験を考えるうえで復習が必要な内容
中学3年生など受験までの期間が限られている場合は、すべてを完璧にしてから受験勉強へ進もうとせず、現在の学力と残された期間を踏まえて優先順位を決めることも必要です。
家庭だけで難しい場合は外部の支援も検討する
どこまで戻ればよいか分からない、解説を読んでも理解できない、計画を作ってもほとんど進まないという状態が続く場合は、家庭だけで解決しようとしなくても構いません。
まず学校の先生へ質問し、理解できていない部分を確認する方法があります。それでも複数教科に大きなつまずきがある場合や、継続的な学習管理が必要な場合は、塾、個別指導、家庭教師、オンライン指導なども選択肢になります。
重要なのは、外部サービスを利用すること自体ではなく、本人が困っている部分に合った支援を選ぶことです。さかのぼり学習が必要なのか、質問できる環境が必要なのか、毎日の学習管理が必要なのかによって適した形式は変わります。
学習支援を検討する場合は、中学生に合う塾と家庭教師の違いを確認し、本人に必要な支援と指導形式を照らし合わせてみてください。
まとめ
本記事のポイント
- 中学生の基礎固めは全範囲を最初からやり直すのではなく、現在のつまずきを確認することから始める
- 基礎が身に付いているかは、基本問題を何も見ずに自力で解けるかで確認する
- 過去のテストや学校ワークを使うと、復習すべき単元を見つけやすい
- 復習は現在の単元から始め、解けない原因になっている内容まで必要な分だけ戻る
- 英語と数学は以前習った内容が後の学習へつながりやすいため、必要に応じて前の単元までさかのぼる
- 国語、理科、社会は古い範囲から順番に進めるのではなく、失点している内容や苦手単元を優先する
- 英語、数学、国語、理科、社会ではそれぞれ基礎固めの方法が異なるため、教科に合わせて学習方法を変える
- 一日の課題は具体的なページ数や問題数まで決め、実行できる量へ小さく区切る
- 一度間違えた問題は解説を確認して終わらず、時間を空けて自力で解き直す
- 家庭だけでつまずきの場所を判断できない場合は、学校の先生や塾、家庭教師などの支援を活用する方法もある
